185 名前:長いなゴメン1/4 投稿日:03/02/19 14:00
洒落にならない話なんだけど、怖いかな?
あんま自信ないけど、俺、このことで警察にも呼ばれたから、まぁ洒落になってねーなってことで。
昔、まだ学生だった頃、サークルの仲間と旅行に行った。
メンバーのほとんどが貧乏学生だったんで、友達に聞いた、安い民宿で泊まることにした。
民宿のすぐ隣に、古そうな小屋みたいな家みたいな建物が建っていた。
ボロいんだけど、妙にでかい。
その建物を見て、メンバーの中の霊感強めの女の子が震えだした。
「2階がヤバイ。」「こっちを見てる。」みたいなことを言って、「こんなところには泊まれない。」って、帰ってしまった。
夜、メシ喰って花火もして、何だか退屈になってきたんで、隣のでかい建物に行ってみよーぜってハナシになった。
女の子のうちで2人は反対したんで、男5人、女2人。
いざ来てみると、けっこう雰囲気が怖い。
一階にでかい戸があって、開けてみると、
納屋っていうか、農機具とかが置いてある土間だった。
天井で、ゴトゴトと何かが動くような物音がしたと思うと、
外にいた奴らが「電気ついた、電気ついたよー。」と言いだした。
いったん外へ出てみると、上の方の窓から明かりが漏れている。
「やばいって。」「怒られるんじゃねー。」みたいなこと言ってると、窓が開いて、にゅっ と首が出てきた。
明かりが逆光になって顔が黒い。
俺はかなりびびっていた。すると、その首の持ち主が手招きした。
「おーう、そんなとこにいないで、上がってこいよ。」
意外に若そうな声だった。ちょっと安心した。
酒もあるし、という誘いにのって、じゃあ上がろうかってことになった。
187 名前:まだつづくよ2/4 投稿日:03/02/19 14:02
一階の壁際に上にのぼる階段があった。初めは明かりが無くて暗かったけど、
途中の踊り場からは、上から照らされてほんのり明るくなっていた。
開けっ放しの扉から中にはいると、30くらいの男が、テーブルの向こう側に座っていた。
テーブルの上には、料理とビールが置いてあった。
部屋の中は、インドっぽいというか、木彫りの置物や楽器が置かれていて、極彩色の神様や映画のポスターなんかが貼られていた。
ムチャクチャ広い部屋なんだけど、そのわりに照明が小さくて、隅の方にはほとんど光が届いていない。
「まービールでも飲んでくれ。」そう言って、ビールと料理を勧められ、俺たちは、その男と酒を飲んだ。
男がインドへ旅行した話や、最近の音楽の話なんかをした。
CDがかなりのボリュームで鳴っていたので、気になった女の子が聞くと、「大丈夫だ」と男は言って、更に音量を上げた。
ふと時計を見ると、もう遅かったので帰ることにした。
男は、倉庫の入り口まで見送ってくれた。
次の日の朝、朝飯を食っている最中に、民宿のおばちゃんが、「昨晩あの建物に行ったのか?」と聞いてきた。
「行った。」と答えると、おばちゃんは「何もなかったか?」と、しつこく聞いてきた。
188 名前:まだつづくよ3/4 投稿日:03/02/19 14:03
帰りの車の中で、残っていた女の子に「昨日はうるさかったんじゃねーの?」と聞くと、
「それほどでもかったけど・・」と言ってから、こんなことを言った。
「あの時、音楽が聞こえてきたんで、何やってるんだろう、って思って、窓からあの建物をみていたら、明るい窓の下に小さく明かりが灯って。
で、また消えたと思ったら、一階の戸が開く音がしたんだ。」
すると、昨日行ったメンバーのうちでMって奴が、それを聞いて
「マジかよ・・」とつぶやき、話し出した。
「あの倉庫から階段上がった時に、踊り場あっただろう。
あそこの壁に、わかんにくかったんだけど扉があったんだよ。
その時は、なんだろうって思ったけど、別に気にしてなかった。
で、帰る時にその扉がほんの少し開いてたんだ。
俺、見間違えたのかな?って思ってたんだけど・・・」
「え?・・ってことは、俺らが飲んでたのって3階なの?」
俺は、ちょっとあせって聞いた。
「じゃあさ、1階に入った時、上で物音してたじゃん。あれって・・・」
189 名前:おわり!4/4 投稿日:03/02/19 14:04
思い出してみれば、おかしいところはいくつもあった。
俺らが1階の倉庫みたいなところに入るまで、3階?の窓は真っ暗だった。
あの階は一つの大きな部屋しかなかったはず。
じゃあ、あの男は、俺たちが来るまで、暗闇の中で何をしていたのか?
そして、あの料理。一人で食べるには多すぎる量、だけど温かかった。
誰かが来るのを待っていたのか?明かりを消して?俺たち以外の誰を?
そんなことを車の中で話すうちに、なんだか気味が悪くなってきた。
「イヤな感じだな。」「後味悪~い。」なんて言いながら帰った。
帰ってみると、先に帰ったはずの女の子が失踪していた。
一緒のアパートに住んでる人に聞くと、あの晩、部屋には戻ったらしい。
が、いつの間にかいなくなっていた。
部屋は荒らされたり、片づけをした様子もなくて、ただ、フツーに買い物に出たような感じだった。
彼女は、まだ見つかっていないそうだ。
482 名前:185 投稿日:03/02/21 22:58
このスレの前の方で長文カキコ >>185-189したんだけど、あのあと、ちょっとした新展開が
あったんで、ホソク。
一連の話をカキコしたあと、あの時のメンバーの一人(以下A)にtelした。別に何かを期待してたワケじゃなくて、何となくケジメみたいな感じで。
したら、Aが、ちょっと情報
持っててビクリ。先にtelしとくんだったなーって思いながら話を聞いた。
* Aの話
あの民宿を紹介してくれた奴(以下B)と、仕事上のつき合いで再会した時、あのでかい建物の話をした。
あれは、地元の共同倉庫&集会所だったらしい。
でも、新しい集会所ができて使われなくなったんで、しばらく放っておいたのを、外の誰かが土地ごと買った。
で、いつの間にかあの男が住んでいた。
あの男が、何をして暮らしているのかは誰も知らなかった。
「なんでそんなこと知ってんだ?」って聞いたら、Bが泊まった時、例の民宿のおばちゃんが話してくれたらしい。
軽い感じで喋ってたけど、あそこにはあんまり近づかない方がイイって言ったそうだ。
なんでも、地元の人達ともめ事を起こしている最中だと。
でも、Bと友達は夕暮れ時にそこへ行った。そこでBは、倉庫の天井から魚が吊してあったのを見た。
スゴイ臭かったらしい。その後、天井の方から大きな音がしたので、Bたちは、ヤバイと思って慌てて外に出た。
で、その夜、あの建物の方から、数人の男が言い争う声がしていたのが聞こえたそうだ。
Bの話はこれで終わり。
もう一つ。あの時失踪した女の子(以下S)が見つかった。その辺の事情はCが詳しいんで直接聞いた方がイイ。
* Aの話終わり ***
483 名前:185 投稿日:03/02/21 22:59
次の日、俺はCに電話をかけた。CとSとは、田舎が同じだったこともあって、あの時のメンバーの中では一番仲が良かった。
* Cの話
Sが失踪してから1年ぐらい経ったある日、私の家にSの母親から電話があった。あの日のことについて話が聞きたいという。
で、近所の店で会って話をすることになった。
その時にS母が語ったことによると、実はSは失踪してから1ヶ月後には見つかっていた
らしい。
場所は実家の近く(詳しいロケーションは聞いてない)。
ただ精神に異常を来していたので、学校や友達には失踪中ということにしておいたらしい。
私も黙っているように頼まれた。
なぜ失踪したのか?失踪中はどこで何をしていたのか?親や病院の人が聞いても何も答えない。
ただ一言「ひさゆき」っていう名前を、一度だけつぶやいた。それで警察は、関係者の中にそんな名前のヤツがいたかどうか、もう一度チェックしたらしい。でも、居なかった。
Sはまだ病院に通っているけど、ずいぶん回復しているようだ。
会ってないけどS母が電話をくれた。だから私も、もう人に話してもイイかなって思った。
ただ、あの日のことについて、Sは覚えていないのか、口にすることはないそうだ。
警察は私らにも「ひさゆき」って名前の奴のこと聞いたのかな?どうだっけ?私には覚えがない。
* Cの話終わり ***
俺も、警察がそんな野郎の事について聞きに来たのかは覚えていない。
Sが無事だったのはよかったけど、なんだか後味が悪い。Aの話もいまいちつながらないし・・・
ま、一応後日談ってことで。急いで書いたんでわかりにくいな。スマソ。
失踪した少女S?
この話は、2階の小屋の続編(後日談)として投稿されたものではありません。
2階の小屋の話の2年前に投稿されており、関連があるのではないかとして注目を浴びた話です。
投稿日 2001年6月22日(金)21時51分 投稿者 夢見るMADOKA
初めて投稿します。
この話は私にとって本当に怖ろしい体験で、そのために長い間精神を病んでいました。
最近になってようやく落ち着いてきたので、自分の体験をまとめてみました。
読み直してみると何だか信じられないような話です。
本当にあったことなのか自信がなくなってきて、全て私の妄想なのかもしれない、と考えてしまいます。
そこで誰かの意見を聞こうと思い立ちました。
ワリと細かく書いてしまったので、かなり長いですが、興味のある方は読んでください。
それで、私がおかしいのかどうか意見を聞かせて欲しいのです。
277 :コピペ2:03/08/15 22:57
私には昔、霊とかそういうものが見えていた時期があります。別に見ようと思って見えるわけではなく、
こっちの気分や事情に関係なく見えるので、実はけっこう困っていました。
町を歩いていても、人の後ろに貼り付いている霊が見えて、
ひどい時はそれが普通の人間と区別がつかないくらいハッキリ見えるのです。
霊によっては一人でいるものもいて、そういう霊はますます見分けが付きにくい。
だから知らずに近づいて、変な波長やオーラを貰ってしまうこともありました。
それで一時期体調も崩していました。人付き合いも苦手でした。
それが、大学に入ってからは地元を離れたせいか、そういう体質は少し改善されました。
サークルに入ってバンドを始めて、少し自分に自信が持てるようになったせいか、
かなり社交的な日常を送るようになりました。
ある日、そのサークルで合宿に行くことになりました。
合宿と言ってもバンドの練習をするわけではなく、海辺に泊まりがけで遊びに行くだけのものでした。
友達と泊まりがけで遊びに行くのは初めてだったので、私は弾む気持ちで合宿を楽しみにしていました。
当日は良い天気に恵まれ、私達は3台の車に別れて出発しました。
車の中では会話も弾み、楽しい雰囲気だったのですが、途中からBGMのCDが気になり始めました。
アルバムのはずなのにさっきから同じ曲ばかりが再生されているような気がします。
無機質なシンセ音が延々続き、私は気分が悪くなって次第に無口になってしまいました。
「酔ったの?」友達が声を掛けてくれたので、CDのことを言うと、
助手席の子がデッキを見て「別にリピートになってないし、気のせいだろ」と言いました。
でも、相変わらず同じ曲が繰り返されていたので、こんどは何だか怖くなってきました。
278 :コピペ3:03/08/15 22:59
熱海に着くと、海でしばらく遊びました。
私はベンチに座ってボンヤリと水平線を見ていたのですが、
なんだか眩暈がしてきたので車の中に戻ってウツラウツラしていました。
その時、良くない夢を見たのだと思うのですが覚えていません。
エアコンをかけて寝ていたのですが目が覚めると汗びっしょりで、全身がだるい感じでした。
そのころには、もうかなり鬱になっていました。
せっかく友達と遊びに来たのに体調が悪くて楽しめない。そのときはそう思いました。
その後、みんなで宿泊先の民宿へ向かいました。
私はどんどん気分が悪くなって、その頃には殆ど口もきかずに窓の外を眺めていました。
車を少し離れた駐車場に置いて、民宿へ。
その時、体が何とも言えない悪寒に包まれました。
風邪とかそういうのではなくて何か冷たいモノに全身を包まれたように、表面だけが異様に冷たいのです。
民宿の前まで来た時、その感覚はもはや耐え難いものになっていました。
私達の泊まる建物の横に大きな小屋のような建物があって、そこから視線のようなものを感じます。
見たくなかったのですが、ついついその建物をじっと見てしまいました。
すると、2階の小さな窓から誰かがこっちを見ています。
パッと見た感じは男の人のようでした。ただ体が青い光を放っていて輪郭がボンヤリしています。
とっさにこれは人間ではないと思いました。
窓は小さいのに、窓枠の周りの壁を通して、そいつの体全体が見えるのです。
こっちを見ている視線がものすごくイヤな感じでした。
私達が来たことを歓迎していないような感覚が伝わってきます。
私はもう限界でした。
みんなにここはヤバイという事を説明したのですが納得してくれません。みんなには見えていないのです。
しかし、私はもうこの民宿に留まることなど出来ませんでした。
その場で皆に別れを告げ、電車で帰ることにしました。
幸い近くに駅があるということだったので、民宿の人にそこまで送ってもらいました。
279 :コピペ4:03/08/15 23:01
電車の中でも私はさっきの視線を感じていました。全身の悪寒も相変わらず続いていました。
体がぐったりと疲れていて、つい居眠りをしてしまいました。
すると、またうなされていたようで、私は隣のおばさんに揺り起こされました。
車掌さんも心配してくれて「駅に着いたら病院に連絡するように駅員の人に伝えようか?」と言ってくれたのですが、
私は一刻も早く家へ帰りたかったので申し出を断りました。
駅についてタクシーで自分のアパートまで戻りました。
部屋に付くと、とりあえずお香を焚いて玄関や窓辺に塩を盛りました。
食欲はなく、シャワーを浴びると私はベッドに倒れ込むように横になりました。
眠るのは怖かったのですが、体が睡眠を求めているようで、眠くてしょうがない。
それで、電気とテレビを点けっぱなしにして眠ることにしました。
その日の夢のことは覚えています。
私はベッドに横になっているのですが、体の中に悪寒が染みこんできて、体にピッタリと収まりました。
体が二重になったような感覚です。もう自分の意志では体を動かせません。
誰かが私の体を動かして、立ち上がりました。
電気とテレビを消して、着替えをし、部屋の外へ出ました。
まだ外は真っ暗でした。
アパートの近くに男が一人立っていました。
それがあの民宿の隣の小屋から私達を見ていた男だというのは分かりましたが、
今は普通の人間っぽい感じで、青い光も見えません。
私は気が狂いそうなくらい怯えていましたが、私の体は男の後をついてどんどん歩いていきます。
私は為す術もなくそれを見守っていました。
280 :コピペ5:03/08/15 23:02
しばらくすると空が明るくなってきました。
国道沿いを歩いていた私達の前に一台の車が止まりました。
車の中にはジャージの上下を着た男が居ました。
この男は普通の人間ぽい感じでしたが、私はパニック寸前でした。
しかし、私の体はあたりまえのように車に乗り込みました。
私と男を載せて、車は走り出しました。
思った通り、例の建物のところへ着きました。
この時はだいぶ体の自由が戻っていたので、
両手をテープでぐるぐる巻かれ、口もテープで塞がれ、頭からタオルを被せられて、私は2階の部屋に連れ込まれました。
部屋の中は殺風景な感じで、布団や小さなテーブル冷蔵庫ぐらいしか置いてありません。
生臭いような匂いが漂っていました。
部屋に入ってすぐに私は服を脱がされ手錠を掛けられました。
この先どんな目に遭わされるのだろうと考えると、怖ろしくて仕方がありませんでしたが、
男達はさっさと出ていってしまいました。
しばらくすると階上で大きな音で音楽が鳴り始めました。
足踏みをするような音も聞こえてきて、踊っているのかな?と思いました。
それを聞くうちになんだか気持ちが悪くなって、とうとう吐いてしまいました。
とても惨めな気分で、ずっと泣いていました。
281 :コピペ6:03/08/15 23:04
やがて最初に私の部屋に来た男が戻ってきました。
私のゲロの方を見ています。
怒られるのか、と思い惨めさと恐ろしさで男の方から目を逸らしていましたが、
急に男が顔を寄せてきたので、反射的に壁の方へ逃れました。
しかし、思いのほか勢いがあったせいで、壁で思い切り頭を打ってしまい、床に倒れてしまいました。
すると男は私の顔を覗き込んで、口の中に指を突っ込んでくるのです。
気持ち悪くて必死で抵抗しましたが、無理矢理口を開かされました。
男の指が口の中で何かを探すように動いています。
また吐きそうになりましたが、もう胃に何も残っていないのか、オエっとなるばかりで何も出ません。
もう本気でイヤになって、口の中の指を噛むとサッと引っ込みました。
口の中にヌルヌルしたものが残って、それが生臭くて、その日は食事も喉を通りませんでした。
食事は二人目の男(車を運転していた)が運んできてくれますが、運び終わると部屋から出て行きます。
私と最初の男の二人で食事をするのですが、私は手錠をはめられているので上手く食器が使えません。
それでも何とか両手でフォークを使って食べるのですが、遠くの皿には手が届きません。
そんな時は、男が私の方に皿を寄せてくれるのですが、
どうやら男は口が利けないようで、時折うなり声のようなものを上げながら皿をこっちへ押しやってくれました。
男はフォークやスプーンを上手く使えないようで、やたらと手を使って物を食べます。
日本人ではないのかな?と思いましたが、もう一人の男が彼のことを「ヒサユキ」と呼ぶので、考えをあらためました。
食事の量は、2人分にしては多いと思ったのですが、不思議と全部食べられました。
282 :コピペ7:03/08/15 23:05
男達は毎日連れ立って外出するのですが、ドアに鍵を掛けていくので外には出られません。
声を上げようとするのですが、元々大きな声を出せない体質な上に、喉が絞られているようで声が出ませんでした。
しかも、男達が外出している時は音楽がフルボリュームで鳴っていてちょっとした物音はそれでかき消されてしまいます。
また、その音楽を聞いていると私は気分が悪くなって、立ち上がるのもしんどくなるのです。
それに服を取り上げられているので、見られてしまうのが怖くて窓を開けることも出来ませんでした。
ただ、男達が私を襲ったりするようなことはありませんでした。
動かしたい時に、手を掴んで引っ張るようなことはあったのですが、普段は体に触れる事もありませんでした。
どちらかと言えば、それを避けていたような感じでした。
食事以外の時間は、ひたすらボーっとして過ごしていました。
新聞もないし、テレビもないので、家のことや友達のことなんかを考えて過ごしていました。
最初のうちは良く泣いていたのですが、いつのまにかあまり涙が出なくなりました。
気持ちは辛かったのですが、途中から他人事のように思えてきたのです。
正直なところ、普段何をしていたのかはほとんど覚えていません。
283 :コピペ8:03/08/15 23:08
一番イヤだったのは眠ることでした。
寝る時には必ず、ヒサユキと呼ばれている男が私の横へピッタリと身を寄せてきて、
最初はそれが気味が悪いくてなかなか眠れなかったのですが、やがて眠ってしまいます。
すると夢の中で何か得体の知れない影のような形のないものが、私の体を乗っ取るのです。
それで外を出歩く夢を見ます。
夢の中でも私は裸で、それがすごく恥ずかしいのですが、体は言うことをききません。
最初は露出狂の欲求があるのかと落ち込んだりしたのですが、
毎日のことですし、ずっとイヤだと思っていたので、
多分違うんだと思うように、操られてさせられているんだと考えるようになりました。
夢の中の私は悪いことをしました。
動物を殺したり、人の家に物を投げ込んだり、魚を盗んでまき散らしたり。
一度、道で犬を殺して死体に顔を突っこむ夢を見て、その時はあまりのことに夢の中で意識が飛びました。
気が付くと朝で、辺りがなんとなく生臭い匂いがするような気がして、その場で吐きました。
顔を洗いに行くと口に血が付いていました。
夢が本当になったのかと真剣に怯えましたが、確認はできません。
それからも似たようなことが何度かありましたが、同じ事です。私には確認のしようがありませんでした。
285 :コピペ9:03/08/15 23:14
夜中に目が覚めると、男の顔が目の前にあることが良くありました。
そんな時は必ず目が開いていて、私を見ているのですが私を見ていない、そんな感じでこっちを見つめていました。
それがイヤで私は目を逸らそうとするのですが、体を乗っ取られているので自由が効かないのです。
しばらくヒサユキの顔を見せられてから、私の体は冷蔵庫の方へ向かいます。毎回そうでした。
冷蔵庫の中からハムや卵や干物なんかを取りだして、それをそのまま食べます。
卵も生のままで、見ているとすごく気持ちが悪いのですが、おいしいという気持ちが湧いてくるのです。
味は変わらないのにおいしいと思ってしまうのです。
私はそれがすごく怖ろしく感じました。
体が別の物になっているような、操られているというより、
自分の体が別のものになって私の意識がどんどん小さくなっていく感じ。
上手く表現出来ませんが、体の端の方から別の生き物(獣)になっていくような感じです。
最初は夜だけだったのですが、だんだん昼にもその感覚が出てくるようになってきました。
冷蔵庫の中の物を食べた私は、ヒサユキの所にも同じ物を持っていきます。
それを目の前に置いても男はピクリとも動かないのですが、
朝になると卵の殻やビニールの包装なんかが目の前に転がっていました。
286 :コピペ10:03/08/15 23:16
そんな生活がどれくらい続いたのかは、その時は分かりませんでした。
最後の方は時間の感覚が無くなっていたからです。
ヒサユキは、だんだん部屋から出ることが少なくなって、あまり動かなくなっていたのですが、
もう一人の男は無理矢理な感じで連れ出していました。
なにか必死で頼んでいるみたいでしたが、良く解らない言葉だったので何を言っているのかは分かりません。
男達は二人ともだんだん狂ってきてたのだと思います。
私もおかしくなっていました。
記憶は飛んでいるし、操られている感覚がずっと続いていたし、
話す相手がいなかったせいか、口も利けなくなっていました。
ある日、私は気が付くと外にいました。
ちゃんと服を着ていたし、懐かしいような風景だったので、なんだかすごく安心しました。
夢だと思っていましたが、人がこっちへやって来て何か聞いてきました。
私の方へ寄ってきて、「大丈夫か」と聞きました。
その時、私は乗っ取られた状態だったので、すごく暴れました。
心の中では嬉しかったのですが、私の体を操っているものがすごく抵抗したのです。
でも、逃げようとしているわけではなくて、相手をやっつけたいと思っているのが伝わってきました。
結局、何人かで取り押さえられて、そのまま病院へ運ばれました。
警察の人や医者の先生にいろいろ質問されましたが、私は話すことが出来ませんでした。
それどころか、ちょっと気を抜くと暴れたくなってしまうので、必死でそれを押さえていました。
ただ、体が別の物になっている感じは無くなっていました。
やがてお母さんが会いに来てくれましたが、その時はもの凄く嬉しくてやっと涙が出ました。
操られている感覚がスーッと弱くなりました。
287 :コピペ11 終わりです:03/08/15 23:18
それから、しばらく入院しました。外傷性のストレス障害ということで結構ボロボロだったみたいです。
最初は喋れなかったのですが、1ヶ月くらいで親と先生とは少し話すことができるようになりました。
しかし、誘拐されたことは話しませんでした。
みんなは何処にいたんだと聞いてきましたが、なぜか話す気にならなかったのです。
もの凄く怖かったのです。話すとまた乗っ取られるような予感がして。
時々は暴れたりもしました。
今思えば父や母、周りの人たちには迷惑を掛けていたと思います。
しばらくそんな状態が続きましたが、今は大分回復してあの夢も見なくなりました。
それで、母親にだけは後から誘拐のことや夢のことなんかを話しました。
母は信じてくれたようです。
時期が来たら、医者の先生や警察の人にも話した方が良い、とも言いました。
それについてはちょっと迷っています。また入院させられるのではないか、と思うのです。
これを読んでいる人は、この話が突拍子もない話だと思いますか?私はまだおかしいのでしょうか?
最後にちょっと私の考えを書いておきます。
それは、あのヒサユキという男のことですが、彼はもともと口を利けなかったのではないかと思うのです。
それどころか体も動かせなかったのではないでしょうか?
私の体を乗っ取っていたものがあの男の体を動かしていたのだと思うのです。
証拠とかは無いんですが、乗っ取られていた時の感じでは、
普段はあの男の体を動かしていて、時々私の所へ乗り換えているように思えました。
私が完璧に操られていた時は男は動いていませんでしたし。
でも、昼間でもそいつの一部は私の中に居たんだと思います。
今もいるのかもしれませんが、よくわかりません。
ただ、そいつがいないとあの男は生きていけないのだと思います。