師匠シリーズを完全考察!時系列で、伏線や謎も人物相関図を含めて可能な限り解説していきます‼

某掲示板のスレッド「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」(通称:洒落怖)の中でも絶大な人気を誇る「師匠シリーズ」

2003年の初投稿以降、すでに100話を超える程シリーズとして大作となっています。

そんな「師匠シリーズ」の各話の簡単な紹介から、読み進める順番をご紹介していきます。

最近は小説版、ドラマ版などもありますので、一緒に「師匠」ワールドにどっぷりハマっちゃいましょう!

師匠シリーズの読み進めるポイントは?

このページは完全ネタバレです!

師匠シリーズを読むうえでネタバレ絶対ダメ!というかたは、こちらからお楽しみください。

基本的には1話完結となっているため、何話か読んだことある方も多いかと思います。

が、いざ最初から読もうとすると、ちょっと違和感を感じる作りになっています。

それもそのはず、師匠シリーズは1話完結ではあるのですが、時系列がバラバラなんです。

リアルタイムで読んでいた人にとっては、当然投稿順で読んでいるため、投稿順で読み進めても問題はないのですが、せっかく今から読むのであれば多少順番を前後させて読んだ方が読みやすいんです!

ただし、一部伏線の回収やネタバレなどが発生してしまうため、そういった要素を楽しみたい方は先に投稿順から読むことをおススメします。

伏線を楽しみたい方は、投稿順。

読みやすさを重視するのであれば、時系列。

ちなみにこちらのページでは、時系列に並び替えたものをご紹介いたしますので、投稿順で読みたい方はこちらから楽しんでみてください♪

関係性を再確認!人物相関図

それでは考察に入る前に師匠シリーズは物語の中で、1991年(師匠1回生)~2003年(俺8回生)と実に10年以上の時間経過があります。

誰と誰が関わりあるのか人物相関図で一緒に確認していきましょう!

※クリックで拡大

物語の中心人物

俺:ウニ(作者)の物語内表記(~5話までは例外的に僕)・音響の師匠。師匠シリーズのストーリーテラー

師匠:ウニの師匠・加奈子の弟子。ほぼ物語の全編に登場する。

浦井加奈子:ウニの師匠の師匠。師匠シリーズの伏線は、主に加奈子を中心に収束している。

音響:一部響子のHN。シリーズ後半ではウニの弟子を名乗る。今後の中心人物?

主要人物

ここからは物語を彩る個性的な脇役の説明。

小川調査事務所関係

高谷:小川調査事務所の所長が以前所属していた探偵事務所の所長。旧県警捜査第一課長。役職は警視。

市川:高谷総合リサーチの受付。

仁科:町内会の顔役的存在で、加奈子や音響に「オバケ案件」をよく持ってくる。

小川:小川調査事務所の所長。加奈子に「オバケ案件」を依頼する雇用主。

服部:小川調査事務所の職員。「オバケ案件」以外の通常業務を担う。その後服部調査事務所として小川調査事務所をおそらく引き継いでいる。

小川律子:高谷の一人娘、小川の妻。高谷が警察をやめた事件がきっかけで足が悪い。

黒谷正月:正月(しょうげつ)と読む。寺の住職。

黒谷春子:正月の妻、小川の姉。子供のできない小川に息子を養子に出している。

黒谷夏雄:加奈子の旧パートナー、アキの兄、正月の息子。M.C.Dというバンドメンバー。霊感強いらしい。寺の供養依頼品を横流しとかする。腕っぷしはかなり強い。

黒谷アキ:初登場は幼児期、後に中学生として登場している。霊感がめっぽう強い。

小川トーマ:小川の息子。後に小川冬馬という表記が判明するとともに、夏雄の弟であることが判明した。

田村兄:小川の情報屋として働いていた。ある事件をきっかけに死亡した。

田村弟:兄に憧れて情報屋となる。ひょんなことからヤクザに追われることとなる。

オカルトフォーラム『灰の夜明け』

倉野木綾:茅野歩く(かやのありく)、Colo、CoCo、kokoなどコロコロ名前が変わるが同一人物。kuranokiayaのアナグラムでいろいろな名前を使い分けている。予知能力者。危険度によって予知するタイミングが変わり、命の危険があるものは年単位で遡って夢を見るらしい。

みかっち:ウニと同じ大学に通う学生。美術系専攻。お調子者。

山下:サラリーマン。モブ的性質が強かったが、「四つの顔」で大抜擢される。

和気:オカルトフォーラム「灰の夜明け」管理人で創始者。

伊丹:「溶接」の人。

沢田:看護師。山下の彼女。

京介:詳細は京介の周辺人物にて。

京介の周辺人物

京介:本名は山中ちひろ。主役級。ウニが密かに恋心を抱いていた相手。実は幽霊が見えていないらしい。のちに結婚しこの街を離れたという描写がある。

間埼京子:京介の相方的存在であり、最大の敵的存在。黒魔術マニアであり、黒魔術により京介を監視しているらしい。

奥陽子:京介の高校時代の親友。「天使」で盛大に京介の気持ちを裏切る。

高野志保:高校の同級生。バレーボール部。

ザビエル:高校時代の恩師。

音響の周辺人物

瑠璃:音響の友達。名前は日本名だが、普段使う言語は英語。現状日本語は話せないと思われる。

その他脇役たち

ヤクザ・警察

立光会(りっこうかい):石田組の上部組織。

菱川会:物語の中心となる街に勢力を伸ばそうとする外部組織。日本最大の指定暴力団。

松浦:石田組若頭補佐、立光会内部序列でも高い。立光会の先代の落し種(息子)との噂を本人が流しており、実際は血のつながりがないと思われる。

西岡:茶髪の歯抜け。最初はチンピラ役かと思われたが、最近なぜか頭角を現してきている。松岡を出し抜いて石田組組長の座を狙っている。(組長になっている?)

県警・警察関係

丸山警部:捜査第二課長。立光会とかなり太い繋がりがあることが匂わされている。

不破刑事:加奈子の協力者。持ちつ持たれつの関係を維持している雰囲気だが、実際は加奈子にかなり協力的な態度をうかがわせている。

写真屋

天野:裏写真屋の天野。普通の写真屋で印刷できないものを写真にするアングラな存在。死体の画像を収集するのが趣味(生きがい?)。

喫茶ボストン

マスター:脱サラして喫茶店を始めた。基本客はいない。夜はバー営業をしており、そちらはそこそこ稼げているらしい。

ひかり:加奈子時代のアルバイト店員。

京介:師匠編の最終盤にバイトしているところが目撃される。

角南グループ

角南大悟:角南グループの創始者にして影のフィクサー。戦時中は軍の指導教官などをやっていた。

角南盛高:角南グループ現会長。

角南大輝:角南グループ系列ヤクモ製薬代表取締役。

角南真悟:盛高の孫、大輝の息子。

劇団くじら座・毒を飲む会

達樹蓮:劇団の座長兼オーナー。

吉崎:劇団の副座長

曽我タケヒロ:劇団員。「風の行方」で首謀者とされている人物。

大学・大学病院

野村:大学病院の看護師長。消化器科。以前は産婦人科で勤務をしていた。

鹿田教授:大学病院では加奈子の主治医をしていた。現在は引退し後任の真下に引き継いでいる。

真下:現加奈子の主治医。

時系列・・・のその前に。

師匠シリーズを時系列で並べ替えるためには、ある重要な要素があります。

それは、物語の主人公が何人か存在する!ことなんです。

詳しくはネタバレを含みますので、このサイトでは大まかに3人の主人公に分けてご紹介します。

とはいっても、読んでいて違和感のないように順番を決めていますので、上から順に読んでいただければ問題ありませんよ♪

さらにもうひとつ。

このサイトでご紹介する作品は、前編、後編などで分かれている物語も一気に読めるように、1タイトル1記事としてまとめています。

つまり、後編が前編の1年後の話。という時でも1つの記事にまとまっているため、時系列が前後する場合があります

また、主人公3人+番外編で読みやすいようにまとめるため、完全な時系列ではありません。

その点もご了承ください。

それでは、3人の主人公「加奈子編」「師匠編」「音響編」の順番でご紹介していくので、存分に楽しんでいってください☆

解釈はサイト独自のものとなります。
できるだけ客観的に考察するつもりですが、明らかな解釈違い、勘違いなどあればコメント欄でお知らせいただけると喜びます♪

加奈子編(師匠大学一回生)

種別:短編(約2,800文字)
読了時間:約5分
登場人物:加奈子、僕

解説
加奈子と師匠が初めて出会うシーンが描写されている。後半の『仄かに光る粒子が~』は涙などではなく、加奈子の特異体質「ナイトセル」によるもの。師匠シリーズはホラー+加奈子の体質『ナイトセル』に関する謎+街を巻き込む『見えざる悪意』を解き明かしていく方向へ進んでいく。

ここで読みたい! 番外編:師匠 小学6年生

先生

種別:長編(約51,000文字)
読了時間:約85分
登場人物:僕

解説
師匠が小学校時代のお話。ホラーというよりノスタルジックな雰囲気のお話。


握手

種別:短編(約17,000文字)
読了時間:約29分
登場人物:加奈子、僕

解説
「列」で加奈子との鮮烈な出会いをした後、大学の構内で加奈子と出会う。文中に出てくる『猿叫』とは、剣術、薬丸自顕流の掛け声。剣道の独特な掛け声、くらいの認識で問題ない……と思う。最後に出てくるテーベーの下りは、67話「先生」のラストを思い出させる単語。その後『自分のしたイタズラをたしかめるような』と続くことから、おそらく加奈子自身がそういった能力があることをウニの師匠に見せつけた。ということであろう。

土の下

種別:短編(約7,700文字)
読了時間:約13分
登場人物:加奈子、僕

解説
ほぼ単発回。途中、猿と追いかけっこをする中で、加奈子が右腕の肘から血を流す描写があるが、これは加奈子の体質。
のちの作品、129話「写真屋」でおそらく加奈子の異常な回復力を持っていることが明かされるため、その伏線と思われる。

空を歩く男

種別:短編(約11,500文字)
読了時間:約19分
登場人物:加奈子、僕

解説
単発回。時系列は前後するが、79話「星を見る少女」とリンクする物語。2つの物語を重ねてみると、師匠から弟子へ。そしてまたその弟子へ。弟子の成長のため出される指令。
ラストの『わたしは、空を歩いたよ』のくだりは、師匠では気付くので精一杯だった途切れた道が、実は渡れた。と解釈するべきか、ナイトセルの伏線と解釈すべきか、難しいところ。

M.C.D.

種別:短編(約6,800文字)
読了時間:約12分
登場人物:加奈子、夏雄、僕

解説
夏雄が所属しているバンドM.C.Dのライブでの一コマ。ここで加奈子から夏雄のことを『強姦殺人前科一犯』というキーワードが飛び出す。投稿順で読むと「とにかくヤバい奴」程度の認識だったが、129話「写真屋」で加奈子が夏雄(と思われる人物)に殺された(ような)描写があることから、おそらく加奈子は事実として前述の表現をしたと思われる。

テレビ

種別:短編(約9,500文字)
読了時間:約16分
登場人物:加奈子、卵男、僕

解説
重要な伏線の一つ《ぐそうむどい》について語られている回、《ぐそうむどい》とは沖縄の方言で、ぐしょう(後生)むどぅい(もどり)。ニュアンス的には黄泉返りと解釈するのが無難か。また、加奈子の隣人が(詳しく後に記述)登場した回でもある。

月と地球

種別:短編(約8,500文字)
読了時間:約15分
登場人物:加奈子、僕

解説
単発回。宇宙飛行士になるか、オカルト道を追求するか、そのターニングポイントが加奈子の口から語られる。

貯水池

種別:短編(約10,000文字)
読了時間:約17分
登場人物:加奈子、僕

解説
ラジオドラマでも採用された師匠シリーズの中でも特に人気の高い作品。師匠の口から加奈子が『死んだ』と明言された回でもある。

依頼

種別:短編(約7,800文字)
読了時間:約13分
登場人物:加奈子、小川、僕

解説
小川探偵事務所の紹介回、単発回。

通夜

種別:短編(約10,500文字)
読了時間:約18分
登場人物:加奈子、僕

解説
単発回。「依頼」~「心霊写真」までは、加奈子と師匠の心霊探偵編ともいうべき作品群。他の作品につながる重要な伏線などがほとんどないため、加奈子と師匠の掛け合いを楽しめる。

種別:長編(約81,000文字)
読了時間:約134分
登場人物:加奈子、卵男、僕

解説
単発回。師匠シリーズの中でも人気の高い作品。

トランプ

種別:中編(約18,500文字)
読了時間:約31分
登場人物:加奈子、小川、僕
単発回。

祖母のこと

種別:短編(約7,300文字)
読了時間:約13分
登場人物:加奈子、僕

解説
単発回。

加奈子編(師匠大学二回生・春)

種別:短編(約16,600文字)
読了時間:約25分
登場人物:加奈子、小川、僕

解説
単発回。この回で師匠が刀に関して詳しいこと、またこの回で師匠は脇差を手に入れる。

もういいかい

種別:短編(約13,500文字)
読了時間:約23分
登場人物:加奈子、僕

解説
単発回。

保育園

種別:中編(約32,500文字)
読了時間:約55分
登場人物:加奈子、小川、僕

解説
師匠シリーズには保育園がらみの話が3つあり、これがその1つ。他の2作はは116話「砂場」と44話「ともだち」。作品同士の関係性はおそらくない。小川調査事務所の依頼で保育園に来る2人。心霊探偵回のように思われるが、ラストの結末『マネキンの手』が115話「馬霊刀」につながる重要な伏線となっている。この事件のキーパーソンとなる『沼田ちかの父親』だが、115話「馬霊刀」でも少し触れられているが、誰なのかわかっていない。

心霊写真

種別:長編(約93,000文字)
読了時間:約155分
登場人物:加奈子、小川、松浦、田村弟、僕

解説
一見、心霊探偵回。だが、時系列でいう前話「保育園」からつながる角南グループがらみの物語。話の主軸は石田組の若頭、松浦からの依頼で始まる。

死滅回遊

種別:短編(約6,700文字)
読了時間:約12分
登場人物:加奈子、僕

解説
「死滅回遊」という言葉自体は実際に存在し、意味は作中で加奈子が説明している通り。作中に登場している「サラリーマン』は山下、「堤防の右手側にいた人影」は山田あすみ、という説が有力。

幽霊物件

種別:中編(約27,000文字)
読了時間:約45分
登場人物:加奈子、小川、不破、僕

解説
単発回。不破刑事初登場回。

ここで読みたい! 番外編:京介 高校1年生

ペットの話

種別:短編(約8,300文字)
読了時間:約14分
登場人物:京介、ヨーコ

解説
物語は一見、京介と友達のヨーコとの日常を一コマをほのぼのと描いた作品……のようだが、後半は一転、物語の重要な伏線となっている。ピーチがしゃべる『ソウムドイ』『ミツカイ』『シキチズ』『ルノサンポシャ』は、順にグソウムドイ、ユミツカイ(弓使い)、ゴシキチズ(五色地図のタリスマン)、ヨルノサンポシャ。同じく順に加奈子、山田あすみ、京子を指すものと思われる。ヨルノサンポシャについては物語上で明確に言及している部分はないが、74話『列』から加奈子、56話『怪物』から京介、または瑠璃や山下などという説があるが、瑠璃が有力。

天使

種別:中編(約18,000文字)
読了時間:約30分
登場人物:京介、間崎京子

解説
京介の高校時代の物語。作中で出てくる『山中ちひろ』は京介の本名。間崎京子との出会いの話。

怪物

種別:長編(約72,000文字)
読了時間:約120分
登場人物:京介、間崎京子

解説
長くなるので、本文中に赤字で解説。

解説なし版を読みたい方は下記からこちらからどうぞ↓↓↓


加奈子編(師匠大学二回生・夏)

古い家

種別:短編(約14,500文字)
読了時間:約25分
登場人物:加奈子、僕

解説
単発回。作中、唐突に加奈子が『蜘蛛、いる?』という発言をする。加奈子の蜘蛛嫌いは《ナイトセル》の伏線。詳しくは82話「食べる」を参照。
ラスト加奈子が発する『あの葡萄(ぶどう)はすっぱい、だ』はイソップ童話の一つ。「狐と葡萄」のお話に出てくる言葉。詳細は割愛するが、簡単にいうと、どうせ確認できないのだから、すっぱいブドウだと思ってあきらめろ。ということ。

巨人の研究

種別:長編(約36,500文字)
読了時間:約61分
登場人物:加奈子、僕

解説
伏線というほどでもないが、師匠シリーズ加奈子編では『巨人』はキーワードである。100話「絵」、103話「雲」で登場する巨人、123話「秋の日々」でもダイダラボッチが登場している。そして本編ラスト「幕の後で」は、くじら座関連の序章的な作りとなっている。

風の行方

種別:中編(約20,000文字)
読了時間:約34分
登場人物:加奈子、小川、京介、間崎京子、僕

解説
くじら座関連の話。しかし本編にくじら座をにおわせる記述はほとんどなく、秋の日々シリーズで関係が明らかになる。といっても今作の首謀者と思われる「曽我タケヒロ」が市内の劇団に所属するという記述から、84話「怪物」のラストに出てくる小劇団と結び付けて考えるのは容易か。他に中盤に出会う高校生は京介と京子。ここで加奈子が『あの夜以来か。いや、一度会ったかな。元気か?』のあの夜とは84話「怪物」の話。一度会ったかな。は、時系列でみても該当する物語がないため、未発表の物語と思われる(私の並び替えミスの可能性もありますw)ここで重要な伏線回収、京子が「過去を見ていた」ことが明らかになる。

連想Ⅰ

種別:短編(約16,000文字)
読了時間:約27分
登場人物:加奈子、僕

解説
加奈子が師匠を秘密基地へ連れ出す描写から始まる。風の行方の後日談が語られ、加奈子の心霊話で普通に盛り上がる回。

趣味の話

種別:短編(約7,000文字)
読了時間:約12分
登場人物:加奈子、僕

解説
師匠が多趣味だった話。その中の寝言を記録することにハマっていた時の話。実に単発回っぽい内容だが、微妙なヒントがちりばめられている。『カナヘビがどうとか』はカナヘビちゃんのことで78話「未」、『チェッコ・ダスコリが~』はチェッコは中世の占星術師。アンダ朝岡がらみの物語なので、56話「怪物」あたりだろうか。注目はそのあと『私からは名を与える』が重要なキーワード。127話「冬が来る前に」でこのただの寝言と思われていた言葉に重要な意味があったことが語られている。

種別:短編(約15,000文字)
読了時間:約25分
登場人物:加奈子、僕

解説
加奈子の幅広い交友関係の一人。雲けし名人のお話。「巨人の研究」とリンクするようなお話。

医者の話

種別:短編(約7,800文字)
読了時間:約13分
登場人物:加奈子、師匠、俺

解説
投稿順に読んでいくと、『ナイトセル』という単語が初めて登場する回。また、この回で加奈子の対立相手が「角南グループ」「ヤクモ製薬」だということが改めて明示される回でもある。

馬霊刀

種別:長編(約70,000文字)
読了時間:約117分
登場人物:加奈子、小川、服部、不破、松浦、山田、卵男、僕(師匠)、俺

解説
投稿順で読むと今まで謎だった『ユミツカイ』山田あすみの初登場回。小川調査事務所に舞い込んだ依頼の調査から、山田あすみを追いかけるストーリー。前半部にて加奈子が服部のコードネームについて『岡田』なんてどうですか。というシーン。土佐勤労党で岡田といえば、岡田以蔵(人斬り以蔵)の事と思われる。土佐勤労党の一員として、というより自白により土佐勤労党を窮地に追い込んだ(詳しくはググってね!)という意味合いのほうが強いか。そして物語中盤、加奈子7不思議の一つ『わたあめ』の描写。読破済みの読者は、そんなにわたあめ食べてたっけ?と思うのも無理はない。描写があるのは本作と83話「M.C.D」のみ。前後の文脈とまったく関係ないため、伏線かとも思うが、今のところ謎。
そして物語終盤は、88話「保育園」のマネキンの手なども登場し、場を盛り上げる中、最大の難問。『角南』が登場する。見えざる悪意の正体。このタイミングで登場する割に、角南グループとの衝突(秋の日々シリーズ)の際に出てくるわけでもなく、人なのか人でないのか、などあらゆる謎をまき散らしていく存在。突然消える感じがくじら座の座長と似ていることや、最後の書置きからくじら座関連ということが判明したため、くじら座関連も角南グループと関係があると示唆している。のだろうか?

ここで読みたい! 異聞:窓の向こう

窓の向こう

種別:短編(約1,170文字)
読了時間:約2分
登場人物:ー

解説
115話「馬霊刀」で登場する山田あすみ。彼女の身におきた誘拐事件の真相。
「馬霊刀」の中で語られている山田あすみの能力は、『見えない弓矢』で射ること。そして『油の弓』のことで鳥井博一が語った『わしにはその弓が、みえなくなった』という言葉。比喩的表現かと思われたが、文字通り『みえなくなった』とすると、猫がいなくなったことにも説明がつく(あすみの世界に取り込まれた猫が窓から逃げ出した)。しかしながら土砂の件は謎が多い。もし犯人もあすみの世界に取り込まれたのであれば、窓の外に海があるはずだし、現実に地下室は土砂で埋まっている。この現象を説明するにはあすみは自分の世界から土砂を出したと考えればスムーズだが、そのような描写がないため真相は謎である。


ここで読みたい! 加奈子小学3年生

食べる

種別:短編(約8,300文字)
読了時間:約14分
登場人物:加奈子、僕

解説
加奈子の蜘蛛嫌いの理由が語られている回。そして加奈子の体質「ナイトセル」の秘密に近づく重要な回。物語終盤でおじさんの口から語られるテングの話。あえて、不老「不死」とはせず、不老「長寿」としている。しかし『~食べることはもっとも原初的で純粋な呪術だ』、と『Ku……小さな、うめき声を。』とあることから、不死であることを想像させる記述がある。つまり、作中の言葉を借りるなら『観察』の結果、完全な不死ではないため不老長寿とした。老いることなく、長寿=長生きではなく、長寿=死ににくい。ことを表現した言葉だと考えられる。この解釈であれば加奈子の超回復と師匠の加奈子は死んだ。という事実にも説明がつく。(加奈子が実際に死んだかどうかは、まだ不明。師匠がそういっているだけ。)
ちなみに加奈子がテングの肉を食べたかどうかわからない論争が当時流行ったが、秋の日々シリーズ6話「老人」で、老人の口から加奈子が食べたことが示唆されている。

追記:後の作品では普通に不老不死と使っているため、不老不死と不老長寿を使い分けているわけではなさそうでした。


双子

種別:長編(約98,500文字)
読了時間:約165分
登場人物:師匠、服部、俺

解説
心霊探偵回。物語序盤、岩倉村へ向かう道中で加奈子が新城村と廿日美村という2つの村を紹介している。新城村は作中にある通り、82話「食べる」関連のお話。廿日美村は、この物語終盤に登場する。まず物語終盤、廿日美村の戻り沼での一幕、加奈子が『人間にとって、類似した形のものは、肉体以外にもある。肉体以上にその人間の本質を表すもの。その類似性が魂の器として、等価交換に応じたんだよ。』の部分から。すんなり答えを教えてもらえる流れかと思いきや、作中で答えが出ることはなかったこの部分。肉体以外の魂の器。『ヒト』という集団では類似性が薄い。ということは個。つまり個を識別するなにか。《氏もしくは名》か《血縁》あたりだろうか。
そして今作最大の謎。羽根川里美。依頼当初は仁科さんの紹介され、小川所長が同席で依頼内容を聞き、服部が尾行しようとした羽根川里美。普通の依頼人として現れたのにもかかわらず、ペラペラになって消えた後、仁科さんに忘れられる。一般的……かどうかはわからないが、当事者(加奈子、師匠)以外の記憶から消えているのであれば、よくある話なのだが、加奈子や師匠のほか、小川所長と服部が覚えているという不可思議な現象。これだと単に仁科さんがボケてて、電話番号は解約済みととらえることもできてしまう。
最後に序章となる『うるう秒』の話。大作ゆえに忘れがちだが、読む限り双子に対する伏線ではないと思われるので、別の物語に対する伏線か。ちなみに該当する物語は今のところないと思う。

加奈子編(師匠大学二回生・秋)

種別:短編(約12,000文字)
読了時間:約20分
登場人物:加奈子、みかっち、僕

解説
物語冒頭、《絵Ⅰ》研究室のOBの彼女(福武)の描く絵の話から始まる。テーマは巨人。《絵Ⅱ》ではみかっちが語り部として福武の描く絵によって、とある事件が起きたと語られる。問題の絵は巨人ではなく、『怪物の絵』だったという。そして《絵Ⅲ》。加奈子と師匠がその事件に巻き込まれるという構成。《絵Ⅲ》の序盤、福武の描く絵について話される。『今年の夏だった。小人と巨人にまつわる出来事に~』はもちろん84話「巨人の研究」のこと。
さて、絵の正体についてだが、123話「アポカリプティック・サウンド」にて明らかになる。怪物の正体は『くじら座』。ギリシャ神話における怪物『ケートス』である。【ケートス くじら座】で調べると、画像が出ます。普通に怪物。

秋の日々 第1話 窮鳥懐に

種別:短編(約5,500文字)
読了時間:約9分
登場人物:加奈子、山田、僕

解説
ここからシリーズ「秋の日々」が始まる。当初全8話の予定だったようだが、現在は8話+1話の構成になっている。
「秋の日々」では、角南グループとの直接対決がメインストーリーとなる。第1話は山田あすみが師匠の家へ転がり込むところから始まる。

秋の日々 第2話 くじら座

種別:短編(約6,600文字)
読了時間:約11分
登場人物:加奈子、僕

解説
「秋の日々」第2話「くじら座」。加奈子がくじら座の公演『変身』でイラつくシーンがある。師匠は最後まで加奈子がなぜ怒っているのかわからない。という描写でこの物語が終わる。では、加奈子は何に怒っていたのか。状況を整理すると、こうなる。
①加奈子が怒っているのは劇の最中から。つまり劇の内容に怒りを覚えているということになる。師匠は最後まで『普通の劇』だと思っていたものに。
②加奈子がラストに『去年の秋に続いて、2回目だと』ということにも怒りを感じている。
③近いうちに、『だれも寝てはならない夜が、くるかもな。』と加奈子が発言している。
④そもそも劇の内容は、不思議な力に目覚めた少女が、最後には母親に監禁され死ぬ。
作中では言及されていなかったが、④の劇の内容、56話「怪物」で死んだ少女と似ている気がしないだろうか。もしそうだとしたら、②の師匠が劇に違和感を感じなかったのは当たり前。当時、現場にいなかったのだから。①劇の最中にそれに気づいた加奈子はイラつくのも当たり前である。それを発見した当事者なのだから。②加奈子のイラつきが怒りに変わるのも、56話「怪物」の少女の事だったとすると、脚本を書いた人は、少女が死ぬ1年以上前から結末を知っていたと気付いたから。そして③が56話「怪物」の少女だと思う最大のヒントだと考えている。詳しくは56話「怪物」を参照いただきたいが、物語と夢が密接に関係している。つまりだれも寝てはならない=『あの夢』を見てはならないと解釈できる。
最後に物語終盤、加奈子が師匠に対して星座の『くじら座』の話をする。師匠が115話「馬霊刀」での出来事を思い出させるかのように。

秋の日々 第3話 狂心の渠

種別:短編(約7,000文字)
読了時間:約12分
登場人物:加奈子、僕

解説
秋の日々1~2話が序章的な作りだったが、3話「狂心の渠(たぶれごころのみぞ)」は説明回ともいうべき作りとなっている。

秋の日々 第4話 アポカリプティックサウンド

種別:短編(約7,000文字)
読了時間:約12分
登場人物:加奈子、僕

解説
103話「雲」以来となる巨人再登場。その巨人がしゃべる回。

秋の日々 第5話 地下

種別:短編(約7,800文字)
読了時間:約13分
登場人物:加奈子、僕

解説
急展開の第5話「地下」。角南グループの一つ、ヤクモ製薬の本社ビルを突撃訪問する2人。

秋の日々 第6話 老人

種別:短編(約7,400文字)
読了時間:約13分
登場人物:加奈子、僕

解説
作中に加奈子が老人に対して『RSPKの、反復性偶発性念力の能力を持っている子が~』は56話「怪物」に登場する少女のこと。『反復性~』はポルターガイスト現象を引き起こす能力の事。
ここからは、この回で明らかになった事実を箇条書きする。
①115話「馬霊刀」で登場した隣人・卵男が、ヤクモ製薬内の超能力研究所にいる『角南真悟』だろうということ。
②82話「食べる」で加奈子にテングの肉を食べさせた男は研究所関係の一味で、『菅田洋一郎』という名前だったこと。
③ナイトセルは限界があり、限界を超えると光る粒子となって、体から漏れ出ること。
④衝撃なのが、加奈子に子供がいること。作中の表現からして十中八九『黒谷アキナ』。
⑤加奈子のラストの言葉『私の家族に手を出したら、殺してやる』。『私の子供に~』ではなく、『家族』という表現をしていることから、アキナ以外にも守るべき家族がいるということになる。

秋の日々 第7話 星形要塞都市

種別:短編(約8,200文字)
読了時間:約14分
登場人物:加奈子、僕

解説
クライマックスの6話が終わって、謎だったヤクモ製薬本社ビル地下について、ヤクザの松浦が説明しに来てくれる回。

秋の日々 第8話 冬が来る前に

種別:短編(約9,300文字)
読了時間:約16分
登場人物:加奈子、小川、僕

解説
師匠が加奈子の秘密を解き明かしていく回。小川所長との話の中で師匠が『ある人が言っていました。……でもそれは違った『息子に対して、娘のほうは』だったんだ。』と言っている。これで冬馬くんも加奈子の子供だったことが明らかになる。

秋の日々 第9話 写真屋

種別:短編(約3,800文字)
読了時間:約7分
登場人物:僕

解説
加奈子の秘密を解き明かす第2弾。作中ラスト『それで、前科一犯って感じのやつかよ』とある。これは83話「M.C.D」で加奈子が夏雄を紹介する時に言った『強姦殺人前科一犯って感じのやつだよ』のこと。加奈子に対し、天野が『死んでる』と思ったほど傷を与えた相手が黒谷夏雄ということになる。

ここで読みたい! 京介高校1年生

種別:中編(約28,000文字)
読了時間:約47分
登場人物:京介、間崎京子

解説
京介が京子の家に招かれる。そして語られる京子の不思議な世界の話。

加奈子編(師匠大学二回生・冬)

種別:長編(約71,500文字)
読了時間:約120分
登場人物:加奈子、松岡、京介、間崎京子、僕

解説
物語冒頭、体の一部がコンクリートと同化した死体が出る事件の話が語られる。これは後半の物語『毒を飲む会』につながっている。『毒を飲む会』に参加したパイシーズとキャプリコーナスは天道さくらと笹原悠馬の弟だと名乗る。ここで、冒頭のコンクリートと同化した死体が笹原悠馬だと判明する。冒頭の話と合わせると『毒を飲む会』とヤクモ製薬につながりがあることが示唆されている。またパイシーズとキャプリコーナスが、加奈子と師匠だと誤認させるような表現が多数使われているのは、ミスリードのためだろう。
そして物語終盤、京子・京介とゾディアックの会話の中で、ゾディアックは《私の知っている世界では》と発言している。これは109話「館」で京子が言っていた世界と似ている。どういう関係があるかは今のところ不明だが、おそらくは95話「本」でウニが語った『恐ろしい厄災』につながる話だと思われる。
京介の体を巻く、宙を回っている黒いものは、悪夢を食べる魚で間違いない。19話「魚」で京介は黒魔術で呼び出したと言っていたが、この作品でそれが嘘で、実際は56話「怪物」で憑りつかれた(?)ということが明らかになる。そして終盤なぜか瑠璃が登場する。
物語ラスト、またピーチがしゃべる。今まで登場しなかった『……ネムラヌウオ……』は、京介の『にび色の魚』であると解釈できる。

師匠編(ウニ大学一回生・春)

師事
師事

種別:短編(約900文字)
読了時間:約2分
登場人物:師匠、俺

解説
師匠シリーズの記念すべき第1作「小人と巨人」に続く第2話。初期の頃の雰囲気を楽しみたいときはこちらをどうぞ。それ以外であれば、94話「師事(再生)」をお読みいただいたほうが良いかと思います。

師事(再生)

種別:短編(約3,600文字)
読了時間:約6分
登場人物:師匠、俺

概要
2話「師事」のリメイク。物語の大筋に変更はないが、加筆修正がなされている。特にこだわりがなければ、こちらだけ読んでおけばOK。シリーズ好きの人はぜひ、初期と後期でどの辺が変わっているか比較にしながら読むのも面白い。

種別:短編(約1,000文字)
読了時間:約2分
登場人物:師匠、俺

解説
ここから、物語の時系列で約半年間(~ウニ1回生の夏ごろ)まで、初期作品群が多く連なる。師匠シリーズは、大きく加奈子編、師匠編、音響編と続くが、加奈子編は加奈子編の最初でも説明があるが、《加奈子の体の秘密》と《見えざる悪意》というテーマにストーリー性のある物語展開が続く。それに対し師匠編は《身近な怪異》をテーマに取り扱っている作品が多い。

コジョウイケトンネル

種別:短編(約1,100文字)
読了時間:約2分
登場人物:師匠、俺

解説
特になし。

黒い手

種別:短編(約9,000文字)
読了時間:約15分
登場人物:師匠、音響、俺

解説
音響初登場回。ウニが見ているネット上のオカルトフォーラムは大きく2つで「灰の夜明け」と「ピーチロア」。ウニと音響がいるオカルトフォーラムは「ピーチロア」の方である。「灰の夜明け」では歩くさんやみかっちさん、京介さんをはじめ、山下さんなどのモブっぽい人まで総動員だが、「ピーチロア」はほぼ出場の機会なし。音響編で盛り上がるのだろうか?

トイレ

種別:短編(約3,700文字)
読了時間:約7分
登場人物:僕

解説
特になし。

三人目の大人

種別:短編(約3,000文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、ウニ

解説
特になし。

指さし

種別:短編(約7,000文字)
読了時間:約12分
登場人物:師匠、ウニ

解説
特になし。

星を見る少女

種別:短編(約10,000文字)
読了時間:約17分
登場人物:師匠、俺(僕)

解説
90話「空を歩く男」と対をなす作品。師匠から弟子へ。そしてまたその弟子へ。弟子の成長のため出される指令。

降霊実験

種別:中編(約4,000文字)
読了時間:約7分
登場人物:師匠、koko(師匠の彼女)、みかっち、京介、俺

解説
歩くさん初登場回。降霊実験とは名ばかりの催眠術であることが師匠の口から公言されている。しかしながら、今作の内容はネット上で『家に霊がいるかを確認する方法』として似たような方法が紹介されているため、興味本位でやり方をマネしないほうが身のため。
物語ラストで、なにやら師匠が伏線を『におわせる』発言をしているが、今のところそのような物語はない。はず。

歩くさん

種別:短編(約1,500文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、歩くさん、俺

解説
師匠の彼女、歩くさんってどんな人?という読者の疑問に答える。的な話。
これを読めば歩くさんがどんな人かある程度わかる自己紹介的作品。

10円

種別:短編(約3,400文字)
読了時間:約6分
登場人物:京介、俺

解説
京介の過去に触れる話。サイトによっては加奈子編、師匠編、京介編と分けるところもあるほど京介主人公のお話が多い。その前振り的作品。

師匠編(ウニ大学一回生・夏)

種別:短編(約2,900文字)
読了時間:約5分
登場人物:京介、俺

解説
京介の悪夢を食べる魚、『ネムラヌウオ』に関する話。56話「怪物」でも考察した通り、京介は黒魔術で召喚したと言っているが、「怪物」で魚が出てきているため、どうもつじつまが合わない。そして魚に関する興味深い点として『それが見えた人間は今まで二人しかいなかった』という部分。誰なのだろうか。

種別:短編(約2,300文字)
読了時間:約4分
登場人物:京介、俺

解説
単発回。

種別:短編(約11,000文字)
読了時間:約19分
登場人物:京介、間崎京子

解説
物語自体は京介の高校時代の話。ウニが京介から初めてタリスマンを渡される。そして『五色地図のタリスマン』を京子が持っていると明示される回でもある。

砂場

種別:短編(約4,500文字)
読了時間:約8分
登場人物:師匠、koko、京介、俺

解説
単発回。

種別:短編(約2,800文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、京介、俺

解説
なんのことはない単発回。だと思うのだが、多くの人が物語のラストでなぜ『師匠は凄まじい形相で自分の背後を振り返った』のかと思うのではないだろうか?
『驚愕でも恐怖でもない。~温度の低い感情が~』という部分から、ウニが『激ヤバスポット』と表現した見返り地蔵に対する驚愕や恐怖ではなく、師匠があきらかに見返り地蔵とは別の《対象》を意識しているように書かれている。伏線かとも思われるが、どうも該当する作品がわからない。今のところは伏線ではなく、《オチ》(物語で訪れた2か所の心霊スポットがどちらも心霊現象起きなかったので、怖い要素としてのオチ)としてあえて怖っぽくするため含みを持たせただけ。と解釈するのが自然だろうか。

プール

種別:短編(約3,000文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。個人的に初期作品の中で割と好きな作品。

そうめんの話

種別:短編(約1,000文字)
読了時間:約2分
登場人物:師匠、俺

解説
初期作品は考察が難しいのだが、その中でも群を抜いて難しいのがこの作品。物語冒頭、師匠から『一週間そうめんしか食べてない』というが、ウニが部屋をあさるが何も出てこない。ウニが『なに食ってるんスか先輩』という問いに答えないということは、そうめんを食っていたわけではないことがわかる。その後、師匠の口調が俺から僕に変わり、頼りがいがなくなる。
時系列で読むとよくわかるが、師匠が一人称『僕』を使用していたのは加奈子編の時。ウニと出会ってからはオラオラ系だったが、時系列でこの話以降は、加奈子と一緒にいた時の師匠の雰囲気になっている。が、理由は不明。
食べたものに関しては、テングの肉、ゴキブリ、加奈子などなど色々説があるが、根拠はない。

東山ホテル

種別:短編(約2,000文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
僕師匠と俺の回。ここより後の作品は(ほぼ)僕師匠・俺ウニとなっている。
最後の一文『逃げたんだけど、逃げ切れなかった……。』は謎。少なくとも他の作品でこの発言に対する答えは出ていない。はず。

水の音

種別:短編(約1,500文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
生霊に対して、ウニは『ストーキングまがいのことをされていて』と説明しているが、相手の女性の家も知っている。ウニは大学入学を機にこの街に来たはずなので、昔からの友達はいない(はず)。それにも関わらず女性の家を知っている。ウニの元カノの話?

麻雀

種別:短編(約1,600文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

自動ドア

種別:短編(約4,000文字)
読了時間:約7分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

師匠編(ウニ大学一回生・秋)

壺(つぼ)

種別:短編(約2,300文字)
読了時間:約4分
登場人物:師匠、俺

解説
手相見師として師匠の親戚『宗芳』という人物が登場する。他の作品で登場はしていない。作中、手相見師が『浅野八郎の系列』と書いてあるが、浅野八郎は実在の人物。

魚男

種別:短編(約1,700文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。地味に怖くて好き。

足音

種別:短編(約1,700文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

将棋

種別:短編(約3,000文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。ノスタルジックな気持ちになるちょっと怖くて切ない話。

将棋

種別:短編(約4,100文字)
読了時間:約7分
登場人物:師匠、俺

解説
難しいお話。ウニはなぜどちらも選ばないを選択したのか?が一番の謎。話の流れだとB一択。今回の前提条件が『A,Bどちらかを選べば正しくお金が入っている。』から。お金が入っていれば一万円もらえるし、入ってなければ予知が間違い。つまりお金はもらえないがゲームには勝てるということ。師匠の彼女が怖くてどちらも選べなかった。とも解釈できるが、作中ラスト『前提が一つ足りないことに~』の部分から、お金を入れる段階では『4.どちらの箱も選ばない』という選択肢を用意していなかった。つまり師匠が急遽、選択肢4番を付け加えたと読み取れる。話の流れが、箱を開ける→どちらにもお金が入っていない→お金を入れる時にはどちらも選ばないという選択肢はなかったのに、どちらも選ばない=お金を入れる必要ないことが最初からわかってた(予知した)→歩くさんすげぇ。となるなら理解できるが、作中の流れは箱開けない→僕はこの人には勝てない。となる。解釈が難しい。

四隅

種別:短編(約7,800文字)
読了時間:約13分
登場人物:CoCo、京介、みかっち、師匠、俺

解説
単発回。俺、倉野木綾、みかっち、京介+αの話は数話あるが、個人的にはどれも面白い。

どうして幽霊は鉄塔にのぼるのか

種別:短編(約2,100文字)
読了時間:約4分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

田舎

種別:中編(約30,000文字)
読了時間:約50分
登場人物:師匠、CoCo、京介、俺

解説
師匠シリーズでも人気の高い作品の一つ。四国にあるウニの親戚の家へ行くところから話が始まる。この作品に出てくる単語、地名など、他の作品と比較してかなり多くが実在している。冒頭の『ヒャクトウ団地』は岡山の有名な心霊スポット、乗った電車『南風』も実在し、風景描写もどこの駅か特定できるほど。完結まで載せられないため解説は省略。

剣道の話

種別:短編(約6,500文字)
読了時間:約11分
登場人物:師匠、koko、京介、俺

解説
単発回。

ドッペルゲンガー

種別:短編(約6,600文字)
読了時間:約11分
登場人物:師匠、京介、俺

解説
京介が昔からドッペルゲンガーが見えていたと告白する話。24話「血」の続編のような作りになっている。この話を読む前に「血」を読み直すと、かなり理解度が深まる。そして、ウニの同級生『角南』が初めて登場する回でもある。時系列で読んでいるとわかるが、角南家は加奈子編での重要人物。同級生の角南は現時点では、ほぼモブ。物語にほとんど絡んでこない役割なのだが、あえて角南の名で登場していることから、今後なにかしらかかわってくる可能性があると思われる。

エレベーター

種別:短編(約9,300文字)
読了時間:約16分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

ウサギ

種別:短編(約7,000文字)
読了時間:約12分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

赤(書籍版)

種別:短編(約4,800文字)
読了時間:約8分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。途中、師匠とウニが訪れる日本家屋は角南家。老人は角南大悟。師匠がいつから角南家に出入りするようになったのか詳しく書かれているものはないが、『かわりはないか』と聞かれていることから、定期的に訪問していることがわかる。謎なのは『あれがどこぞに出てくる~』の『あれ』が何を指すのか。謎。物語終盤ではウニの同級生の角南さんが登場する。

見えない男

種別:短編(約8,200文字)
読了時間:約14分
登場人物:音響、俺

解説
31話「黒い手」に続く、音響登場回。黒い手は師匠も登場し、ほとんど師匠に解決してもらったようなものなので、純粋に音響-ウニで構成された《音響編》記念すべき第一回である。
物語の作りは、この街でしか起きていない怪異について探る内容。

師匠編(ウニ大学一回生・冬)

種別:短編(約1,500文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

溶接

種別:短編(約14,500文字)
読了時間:約25分
登場人物:京介、みかっち、俺

解説
単発回。

失せ物探し

種別:短編(約4,600文字)
読了時間:約8分
登場人物:koko、みかっち、京介、俺

解説
単発回。

バチェルダーの部屋

種別:短編(約8,300文字)
読了時間:約14分
登場人物:京介、koko、みかっち、俺

解説
単発回。

種別:短編(約6,400文字)
読了時間:約11分
登場人物:Colo、みかっち、俺

解説
70話「四つの顔」と同じ日と語られている。こちらは鏡占いに行く話。作中ラスト、師匠が『吸血鬼は鏡に映らない。』と言っているが、師匠シリーズにおいて吸血鬼と言われているのは京子のみ、作中でその人物のことを『髪の長い人影』と表現していることからも、京子と姿は一致する。ではこの人物を京子と仮定すると、なぜ『困難の正体が映る鏡』で京子が映ったかは現時点では、わかっていない。ウニと京子の接点はかなり少なく、24話「血」、36話「ドッペルゲンガー」でウニが興味本位で京子を調べた以外では、43話「雨上がり」で少し話した程度。しかも43話で『彼女を見た最後だった。』と作中に述べられていることから、現在発表されている作品からでは、京子が出てきた理由は謎のまま。京子ではないとすると、該当人物が絞れないため、同じく謎。

追跡

種別:短編(約15,500文字)
読了時間:約26分
登場人物:師匠、歩くさん、俺

解説
物語冒頭ウニが手に取った小冊子『追跡』について、『巨人』という題名のものは、103話「雲」に登場する巨人の表現に似ている。続いて、弓使い・山田あすみについての内容。102話「窓の向こう」とほぼ同じ内容である。『人間もどき』は70話「四つの顔」。
本題の『追跡』は、師匠の彼女とウニが予知の内容を基に師匠を探すという内容。

喫茶店の話

種別:短編(約2,800文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、京介、俺

解説
小川調査事務所の下にある喫茶店『ボストン』。そこで京介が働いているという話。ちなみに本編では店に入ったかどうか語られていないが、115話「馬霊刀」の冒頭、この話題が出ている。
馬霊刀は、ウニと師匠が『ボストン』へ行くところから話が始まる。時系列的にはこの「喫茶店の話」より後の話になるのだが、「馬霊刀」自体は師匠の過去語りだったため、本サイトでは加奈子編に分類してあります。

デス・デイ・パーティ

種別:短編(約7,800文字)
読了時間:約13分
登場人物:Colo、みかっち、京介、俺

解説
単発回。

四つの顔

種別:中編(約18,800文字)
読了時間:約32分
登場人物:Colo、みかっち、俺

解説
33話「鏡」、48話「追跡」で少し語られていた『人間もどき』の話。作品自体は他に絡む要素がないため単発回。この回で山下は失踪、ワサダ(沢田)は実家に帰った。

目覚め

種別:短編(約3,500文字)
読了時間:約6分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。これぞ《身近な怪異》と思える回。おすすめ。

桜雨

種別:中編(約25,500文字)
読了時間:約43分
登場人物:京介、俺

解説
師匠シリーズでもかなりの異色作。京介が高校の頃の話。

師匠編(ウニ大学二回生・春)

人は死ぬとどうなる?

種別:短編(約1,500文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

写真

種別:短編(約3,500文字)
読了時間:約6分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。ここで出てくる師匠に心霊写真を売っている『業者』は、恐らく夏雄のこと。

怖い夢

種別:短編(約2,700文字)
読了時間:約5分
登場人物:京介、俺

解説
19話「魚」で明らかになった京介の悪夢を食べる魚。京介が悪夢を見たことを嬉々として話していることを喜ぶウニ。時系列で読んでいる方はお分かりだと思うが、ウニが『京介さんや彼女を助けた人たちの長い夜』と表現した物語はまだ発表されていない。

種別:短編(約3,200文字)
読了時間:約6分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

ホテル

種別:短編(約5,000文字)
読了時間:約9分
登場人物:京介、俺

解説
京介にホテルに誘われる回。ホテルから出た後、京介が街を出ること、実は幽霊が見えないことが明かされる。最後に海に投げた小銭は38話「10円」の10円で確定。そして『友達だったんだ。』というセリフから、京子の死を連想させるが、京子自体は生きており、次の作品43話「雨上がり」でウニで会話をしている。そこでのやり取りも不思議だが、それは43話の解説で。

雨上がり

種別:短編(約4,000文字)
読了時間:約7分
登場人物:俺

解説
詳しくは、下記からどうぞ。↓

人形

種別:短編(約14,000文字)
読了時間:約24分
登場人物:師匠、みかっち、俺

解説
単発回。

種別:短編(約3,000文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

種別:短編(約4,500文字)
読了時間:約8分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

師匠編(ウニ大学二回生・夏)

奇形

種別:短編(約2,400文字)
読了時間:約4分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

月の涌く沢

種別:短編(約2,600文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

葬祭

種別:短編(約6,000文字)
読了時間:約10分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

夢の鍵を求めて

種別:短編(約2,100文字)
読了時間:約4分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

病院

種別:短編(約6,000文字)
読了時間:約10分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

種別:短編(約3,200文字)
読了時間:約6分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

図書館

種別:短編(約4,400文字)
読了時間:約8分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

跳ぶ

種別:短編(約2,500文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、俺

解説
高所恐怖症の人にとっては、想像するだけで涼しくなれる作品。

ビデオ

種別:長編(約40,000文字)
読了時間:約67分
登場人物:師匠、夏雄、アキちゃん、俺

解説
ウニが初めて黒谷夏雄に出会う回。この際に中学生になったアキちゃんも登場している。序盤に師匠が『~あのオッサンの妹だよ。~』『血がつながってるのはホントだよ、~』はミスリード。時系列で読んでいる方はお分かりだと思うが、アキちゃんは加奈子の子供。そして明らかになってはいないが父親は夏雄でほぼ確定。
物語は、心霊探偵っぽい作りになっている。本編は特に伏線の絡まない単発回。物語終盤にウニの部屋に何かが侵入してこようとするシーン『頭の中に記憶が蘇る。いつかの降霊実験の記憶が。』がそのまま15話「降霊実験」のこと。続けて『そうだ。誰かが助けてくれた。あれは誰だ?』は京介。詳しくは15話を参照。

携帯電話

種別:短編(約9,200文字)
読了時間:約16分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

お祓い

種別:中編(約21,500文字)
読了時間:約38分
登場人物:加奈子、僕(師匠)、俺

解説
物語は『お祓い』をテーマにした物語が3本入っている。一つ目はウニの体験談。二、三本目は加奈子のエピソードという構成になっている。物語自体は伏線の絡まない単発回。

師匠編(ウニ大学二回生・秋冬)

葬式

種別:短編(約2,500文字)
読了時間:約5分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

雨音

種別:短編(約2,400文字)
読了時間:約4分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

すまきの話

種別:短編(約11,500文字)
読了時間:約19分
登場人物:師匠、歩く、俺

解説
ウニは33話「鏡」でも同じような体験をしている。歩くの予知夢を追体験すること。条件は歩くが浅い眠りの時に、そばで寝ていること。のようだ。今回も同じようなつくりになっている……かと思いきや、ラストに意味深な発言が飛び出している。『~、現実から目覚めるという、おぞましい不思議な力~』という部分によって、歩くは予知夢を見ることができる。という読者の共通認識から、実は予知夢ではなく現実を書き換えている、もしくは現実を巻き戻しているとも読み取れる一文となっている。ただ一見わかりにくいが、歩くが電卓で計算して『夢ならこんな計算一瞬で出来る?』の部分。実は計算が違う。ぜひ皆さんも計算してみよう。

友達

種別:短編(約4,600文字)
読了時間:約8分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

師匠編(ウニ大学三回生)

種別:短編(約14,900文字)
読了時間:約25分
登場人物:師匠、服部、俺

解説
ウニが服部調査事務所(旧小川調査事務所)を紹介されるお話。そして物語ラスト、ヤクザの男が登場する。加奈子編で石田組の若頭補佐、松浦の付き人をしていた西岡である。ここで重要なことが語られている。加奈子と松浦はある人物によって殺されたという事実である。そして師匠の口からその犯人は死んだと告げられる。西岡(現石田)が左腕がないことも無関係ではなさそうだが、ここでは明らかになっていない。推測の域はでないが、108話「赤」で師匠が角南盛高からお金をもらい誰かの行方を探させている?描写があることから、これを角南真悟だと考えると、加奈子と松浦は角南真悟と対決して殺された。角南真悟はその後行方不明となった(師匠は死んでいると考えている)という筋書きが、今までの流れからあり得るストーリーではないかと考えられる。

賭け

種別:短編(約6,300文字)
読了時間:約11分
登場人物:師匠、俺

解説
単発回。

鋏(はさみ)

種別:中編(約11,500文字)
読了時間:約20分
登場人物:音響、俺

解説
音響編。この回で音響の正式な年齢が公開される。この回での年齢は16歳。31話「黒い手」の時点では14歳だった。ちなみに中高一貫校ということらしい。作品自体は単発回。

引き出し

種別:短編(約11,000文字)
読了時間:約19分
登場人物:音響、瑠璃、俺

解説
瑠璃初登場回。ちなみに本編となる引き出しの怪異は、作中でも語られているが未完。95話「本」の冒頭でも少し語られているが、この58話「引き出し」と95話「本」の約1年半の間に、引き出しの怪異にまつわる、とても大きな事件が勃発しているらしい。詳しくは95話「本」にて。

失踪

種別:短編(約1,500文字)
読了時間:約3分
登場人物:師匠、俺

解説
師匠シリーズの最初期、5話目のエピソード。投稿タイミングもスタート直後だったため、冒頭の書き出しが、110話「失踪(書籍版)」と大きく違う。『俺が途中で飽きるかもしれんし、叩かれてへこんで止めるかも~』というあたりが最初期を感じさせて、面白い。
大筋に変更はないが、118話「双子」の作中に登場する『戻り沼』のエピソードが追加されているため、特にこだわりがなければ、110話「失踪(書籍版)」をお勧めします。

失踪(書籍版)

種別:短編(約4,700文字)
読了時間:約8分
登場人物:師匠、俺

解説
師匠の失踪について書かれた作品。といっても直接的に失踪の原因が書かれているわけではなく、失踪した後日談的作品。元エピソードである5話「失踪」と比較すると、『戻り沼』のエピソードと『倉野木綾』に関するエピソードが追加されている。

種別:短編(約2,900文字)
読了時間:約5分
登場人物:俺

解説
師匠シリーズ最難解作品の筆頭。66話「墓」。
話の流れは、とある喫茶店である男性から一枚の地図を渡される。『よれたネクタイの先をいじりながら~』は61話「依頼」と話数的に前後するが69話「刀」から小川所長のことだろう。となれば『客のいない喫茶店は、自分の知らない過去の匂いが~』なので喫茶ボストン。ここで最初の難関《なぜウニは小川所長から墓の地図をもらったのか?》とそもそも《いつ小川所長と知り合ったのか?》だが、実はストーリー上ではウニは小川所長と会う描写がない(はず。)作中の雰囲気も初対面という感じではないため、117話「猫」で服部調査事務所に師匠と一緒に訪れた後、知り合っていたと解釈するのが自然だろうか。地図を渡されたのはタイミング的に師匠が失踪したからだろうか。
さて、描写は変わりウニが墓を目指すシーン。軽トラとすれ違うシーンがネットでは実は師匠が乗っているなど議論が活発だったが、個人的には風景描写の一幕ではないかと考えている。余談だが、墓の場所について、風景描写が夏雄の寺がある山によく似ている。(似ているだけで確証はなし。軽トラが夏雄や正月が乗っているシーンが別の作品に登場しているかと思ったが、夏雄の愛車はスープラ。正月は車を運転する描写がなかった。)
最後に墓と対峙するシーン。ここからポイントを箇条書きにする。
作中の小川所長が『彼岸は少し過ぎちまったがな』と『ひっそりと佇む苔の生えた石』という表現から、最近出来たものではなく、小川所長も来たことがあるということ(毎年彼岸に小川所長も来てる?)。
『予想だにしなかったものがそこにあった。』『墓石を凝視する』という部分から、加奈子の墓だと思っていたウニは墓石の《なにか》を見て驚く。と読み替えれる。
そして師匠が失踪して、しばらくたったタイミングで地図を渡されたという事実。
このことから、小川所長も師匠の失踪後に(もしくは彼岸に)加奈子へ報告するため墓参りに来て《なにか》に気付く、そしてウニにコンタクトを取り地図を渡したのではないだろうか。
完全な推測だが、《なにか》とはなにか。をいくつか考えてみる。
①師匠の名前が彫ってあった説:加奈子の墓だと思っていたら、師匠の墓だった。『え?え?え?』と動揺するウニ。ありそうだが、疑問点が多い。石は少し年月が経っていそうなので、失踪のタイミングと合わない。そしてそもそも、なぜ小川所長が知っているのか謎。
②師匠の名前も彫ってあり没年も書いてある説:加奈子と同じ没年が書いてあるとすると、師匠が墓を作り、自分の魂(精神的な死)も加奈子とともに死んだ。と解釈すると、割と合理的。
③黒谷加奈子と彫ってあった説:師匠からは一貫して『浦井加奈子』と聞かされていたので、戸惑うウニ。しかしよく考えると師匠から聞いた話の中に、加奈子に子供がいることを思い出す。なんとなく聞き流していたが、子供がいるということは父親がいることに他ならない。だれなのかは特に聞いていなかったが、黒谷という名字をみて、57話「ビデオ」のことを思い出す。『じゃああれは?じゃあ、あのときは?』は『あれ』はあきちゃん、『あのとき』は夏生の妹だと嘘をついた帰りの車内。加奈子の真実を知ったウニが『君は腹を立てる。~そんな生き方をしたその人が。』と師匠の叶わぬ恋に生きた人生の事を、今まで幾度となく聞かされた加奈子さんをまねて、こう言う。『あのバカ』と。

ここで読みたい! 番外編:ウニ 大学四回生

なぞなぞ

種別:短編(約9,200文字)
読了時間:約16分
登場人物:多田、俺

解説
京介の後日談。単発回。

音響編(ウニ大学四回生)

種別:短編(約11,000文字)
読了時間:約19分
登場人物:音響、俺

解説
物語の導入から、何やら物騒の言葉が並ぶ。『恐ろしい厄災』とは58話「引き出し」で『その後の顛末は、また別の機会に話そう。』と書いていることから「引き出し」で出てきた幽霊がらみの話で間違いないだろう。そして引き出しの幽霊が、見えざる悪意となんらかの関りがあることも本作で示唆している。瑠璃=『ヨルノサンポシャ』なら、131話「毒」でゾディアックと対決?していることからも、瑠璃が見えざる悪意と敵対していることは明白か。
本作は導入部分こそ謎が多いが、物語自体は単発回。ウニが師匠と呼ばれるようになった回。

音響編(ウニ大学六回生)

MMO

種別:短編(約13,000文字)
読了時間:約22分
登場人物:音響、俺

解説
MMORPG、いわゆるネットゲームを題材にしたお話。そして今までの音響とは少し違う、人間味あふれる音響の姿がみれる作品。

落とし物

種別:短編(約13,200文字)
読了時間:約22分
登場人物:音響、俺

解説
加奈子編の心霊探偵回のような物語。この物語では心霊要素もありつつ、謎解きが加奈子編より本格的になっている。単発回。

ここで読みたい! 番外編:2003年 初投稿作品

小人と巨人

種別:短編(約600文字)
読了時間:約1分
登場人物:師匠、俺

解説
師匠シリーズ記念すべき第一話。物語のすべては2003年に投稿された、この物語から始まる。

その他のメディア・書籍関連

当初、洒落怖でしか投稿されていなかった「師匠シリーズ」ですが、その後、漫画版やラジオドラマなど様々なメディアで取り上げられることとなりました。

投稿作品をすべて読んだ方は是非、その他の作品もご覧ください!

「師匠シリーズ」漫画版

漫画版は現在、2つの出版社から発売されており、扶桑社版、ヤングキングコミックス(少年画報社)版の2つが存在しています。

扶桑社

扶桑社版では、1話「師事」と70話「四つの顔」の2つが漫画版として出版されています。

ヤングキングコミックス

ヤングキングコミックス版は、扶桑社版に比べて、多く出版されており、「師匠シリーズ」として7巻、外伝として1巻、その他「師匠シリーズ 師匠と僕と」が1巻の計9巻が発売されています。

ラジオドラマ版

師匠シリーズのラジオドラマ版は2016年にJFM系列にて特番として第1弾が放送されました。

内容は、31話「黒い手」、49話「貯水池」、54話「三人目の大人」の3本で1時間番組として当時話題となりました。

またJFN 特別ラジオドラマ「師匠シリーズ2017」として翌年にも第2弾が放送。

内容は、61話「依頼」、73話「もういいかい」、69話「刀」(放送時タイトルは『人斬り刀』)、そして『エピローグ』の4本立てとなっています。時間は前回と同じ1時間番組ですよ!

さて、みなさんが一番気になっているのは、「で、それどうやって聞けるの?」というところだと思います。

第1弾に関してはサウンドドラマ版として発売されています!

投稿作品や漫画版も面白いのですが、サウンドドラマ版は声優さんも豪華で、臨場感や緊迫感が表現されていて、思わずドキドキしながら聞いてしまうほど作品に入り込んでしまいました!

文字作品にはない、緊張感を味わいたいなら是非聞いてほしい作品です‼

ちなみにJFN PARKというアプリならラジオドラマ版+追加エピソード9話「歩くさん」も配信されていますので、気になる方はアプリもチェックしてみてくださいね!

JFN PARK公式アプリ:http://www.jfn.co.jp/park/(Iphone、android版あり)

まとめ

師匠シリーズは、当初は「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」で投稿されている通り、いわゆる「怪談話」がメインとなっていました。

しかし投稿を重ねるにつれて魅力的なキャラクターやホラーというよりオカルトチックな話、引き込まれる程完成された物語など、月日を重ねるにつれどんどん「魅力的に」「怖く」そして「面白く」なっていく作品です!

今はまだpixivでの投稿がメインになっていますが、今後ネット上ではなく小説として発表の場を変えてもおかしくないと思える作品なので、読めるうちに読んどいた方がいいのかもしれませんね~♪

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